「ご縁の国」出雲・松江の地で人のつながりと感性が生み出した独自の展開
HODOHODO(島根県出雲市・松江市)
「感覚の情報発信基地」をモットーとするグリーンショップ2店舗を運営しているのは、出雲市平田町に本社を置く1982年創業の建築会社である。
住宅事業については、丁寧なヒアリングに基づいた住宅建築、いつまでも家族に愛される家づくりに定評があり、年間10棟ほどの実績がある。
住宅事業と、店舗設計・施工などの非住宅事業というビジネスの柱を2本持つ。
個人のお客様とのご縁をつなぐグリーンショップ「HODOHODO」
平田町には、以前こうしたショップがない場所だった。
地域とのつながりや個人のお客様とのご縁をつなぐ場を創りたいと、ビレッジ戦略への取り組みを始めた。
「やはり私たちとしては、住宅の事業が基本にあって、個人のお客様との接点を大事にしたいと思っています。そのためにもHODOHODO というショップがないといけないという考えです。ずっとBtoBでやっていると、一般のお客の感覚がわからなくなってくるのですが、このショップがあるおかげで個人のお客様との接点ができます。
HODOHODOは、まずファンになっていただくための、私たちの感覚の発信基地だと言っています。こういった取り組みが長い目で見ると大事なことだと」そうHODOHODOを運営する取締役部長は話す。
人と人のつながりを大切に、地域になくてはならない店を目指す
「数字だけを見ていては、本当に大切なものを見失ってしまう。」
KPI(Key Performance Indicator)の設定は重要だが、そういった数字だけを追わない自分たちの「好き」とお客様の「好き」を何よりも大事にしているという。
お店のことを好きなお客様に来ていただけることへの喜び、そして、大好きなお客様が来てくださったときにできる濃密な時間の共有、人と人との不思議なつながり、心と心が通じ合うような会話、まさにご縁を大切にする経営こそが、HODOHODO スタイルのようなものになっている。
それが地域の方々に愛される秘訣だろう。
収益の先に見ているもの
商品を売ることや、新築や外構へのトスアップを上げることの先にある、もっと大切なものに意識を向ける必要がある。
もちろんビジネスを続けていくためには収益を出すことは大切だ。収益がなければ事業を継続していくことはできない。だから、ビジネスである以上、収益は不可欠であり大切なものである。
しかし、それが目的のすべてになってはいけない、利益=儲けはあくまでも事業の手段であり、最終的な目指すところではないという考えだ。
真摯に、丁寧に仕事と向き合い、お客様と向き合いながら、地域のためにお客様のために社会のために、そして、スタッフを含めてお店に関わるすべての人のために役に立つことで、結果として利益が付いてくる。
このビジネスの理想像を、HODOHODO というグリーンショップの事例が教えてくれているように思う。
「ビレッジ戦略」の書籍ではさらに詳細なインタビューを掲載しています。