社員と一緒に創り上げた世界観を軸に、ボタニカルな生活とリノベーションを融合
Renoplus+(鹿児島県鹿児島市)
2023年8月、南九州の中核都市・鹿児島市にオープンしたグリーンショップ「Renoplus +(リノプラス)」。
経営するのは、鹿児島市内で不動産業・リノベーション事業を手がける会社だ。
Renoplus +の取り組みは、不動産ビジネスを展開する同様の業種・業態からVillage 戦略の導入を検討している企業にとって、とても参考になる事例と言えそうだ。
「狩猟型営業」に悩む時期に巡り合ったビレッジ戦略
注力するマンション売買、リノベーション事業はパイの奪い合いの時代に。
「ビレッジ戦略の概要文にあった『今後は狩猟型だけでは立ち行かず、農耕型でお客様と長くお付き合いしていく』といった内容は、まさに自分が感じていたことだと共感することができました」と出会いのインパクトについて社長は振り返る。
しかしリノベ事業を立ち上げたタイミングでもあったことから、この時ビレッジ戦略の取り組みは見送った。
他社と差別化を図らなければという思いで工夫を重ねて着実に顧客を増やしていったが、5年ほど経った頃またも壁にぶつかってしまった。
「一度住宅を購入してしまえば、修繕の依頼以外で不動産会社や建築会社に用事はありませんからね」。
新築にしてもリフォーム・リノベーションにしても庭にしても、お買い上げいただいたオーナーにその後どうお付き合いいただくかは、大きな問題である。
社長は、過去に物件を購入していただいた既存のお客様にその後も気軽に来店していただき、長いお付き合いができるような仕掛けをつくれないだろうかと考えるようになった。そこで頭をよぎったのがビレッジ戦略だったという。
グリーンをきっかけに、いつでも気軽に行ける不動産会社に
自社で買い取ったマンションをリノベーションし再販売する際、具体的な住人像を描きリノベーションのコンセプトを決定し販売戦略を練る。その時にスタッフのアイデアから決まったのが『ボタニカルな生活』(Botanical Life)だった。
Botanical Life とは、すなわち「みどりのある暮らし」。「植物に囲まれて、癒されながら豊かに生活する」イメージを指すことばである。
これはグリーンショップを訪れる客層のイメージに通ずるものだ。
住まいのリノベーションに興味を持つ人は潜在的には少なくないはず。まして、豊かな暮らし、彩りのある暮らしといった、毎日の生活の質を高めていきたいと思っている人と考えれば、ほぼ全員が該当すると言ってもいいのではないか。
「気軽に入れる不動産屋」を目指しグリーンショップを運営する中で、植物を取り入れることによって豊かな暮らしを実現するための住まいがすぐ手が届くところにあるということを伝えていきたい。そこからリノベーションへの関心を持ってもらえたらと話す。
「ビレッジ戦略」の書籍ではさらに詳細なインタビューを掲載しています。