第1回 その住宅反響(受注)は、なぜ来たのか

コラム

年末年始の休み明け、あるパートナーの工務店社長から電話がありました。

「今年また住宅の契約が取れましたよ。
グリーンショップのお客さんから2件。何もしていないのに、不思議ですよね」

「何もしていない」。
この言葉が、少し引っかかりました。

本当に、何もしていなかったのでしょうか。

反響は、ある日突然やってこない

結論から言います。

住宅やリノベーション・外構の反響は、何もないところから突然生まれません。必ず「裏側」があります。

少し数字で見てみましょう。

日本には約5,400万世帯あります(厚生労働省・国民生活基礎調査)。そのうち、毎年持ち家を新たに建てるのは約20万戸(国土交通省・2025年)。つまり、270世帯に1世帯が毎年家を建てている計算です。

グリーンショップを運営するパートナーの多くは、年間6,000組ほどの来店があります。そのうちレジを通るのは2,000組ほど。この2,000組の中に、確率上、7〜8組の「今まさに住宅を検討している」潜在的な見込み客が混ざっています。

この社長は、その中から2件を受注しました。成約率にして約25%。「比較されてから営業する」従来の方法では、なかなか出ない数字です。

なぜか。

住宅を検討し始めた時点で、すでに「あの店の会社に頼もう」という気持ちが固まっていたからです。

「善い認知」とは何か

認知には、2種類あります。

ひとつは「あ、見たことある」という認知。広告やチラシで名前を知っている、という程度のものです。

もうひとつは「あそこ、なんか好きなんだよな」という認知。これを私は**「善い認知」**と呼んでいます。

善い認知は、次のものが積み重なって生まれます。

  • 経営者の考え方が、言葉の端々に滲み出ていること
  • スタッフの接し方に、一貫した空気感があること
  • 地域への関わり方が、ポーズではなく本物であること

顧客はこれらを、意識せずに受け取っています。そして、家を建てようと思った瞬間、比較表を開く前に「あの会社に相談しよう」と思い出す。

これが「純粋想起」です。つまり、比較される前に名前が浮かぶ状態のことです。

あの社長が「何もしていない」と言ったのは、きっと本当のことです。でも正確には、積み重ねてきたものが、ある日形になったのだと私は思っています。

短期と長期、両方を手に入れる

ビレッジ戦略で手に入るものを、正直にお伝えします。

短期では、住宅・リノベーション・外構・不動産の反響が増えます。現在、20のショップを展開するパートナーたちが、実際に経験してきた事実です。

ただし、それはあくまで「結果」です。

その結果を生み出している「仕組み」は、反響の裏側で静かに育ち続けている善い認知です。

短期の反響を追いながら、長期の認知を耕す。この両輪が回り始めたとき、経営は「比較される戦い」から「指名される状態」へと、静かに変わっていきます。

あなたの会社に今日来た反響は、いつ種を蒔いたものでしょうか。


【データ出典】
・世帯数:厚生労働省・国民生活基礎調査(5,400万世帯)
・着工戸数:国土交通省・2025年(約20万戸)