第9回 GoogleMapの上に、場を宿す
リアルの場には、デジタル上の入口が必要になった。
ビレッジ戦略は、リアルの場をつくる戦略だ。 グリーンショップ。カフェ。マルシェ。ワークショップ。そこで人が出会い、関係が育ち、やがて住宅受注へとつながっていく。
ただ今は、その場にたどり着く入口が変わってきている。
どれだけ良い場をつくっても、見つけてもらえなければ、まだ出会いは始まらない。
今の時代、最初の出会いは店頭ではなく、スマホの地図から始まることが多い。
「近くの植物店」「外構がおしゃれな工務店」「雰囲気のいいカフェ」
そう探されたときに、あなたの場がきちんと見つかる状態になっているか。
ここで重要になるのが、MEOだ。
MEOは、地図上の入口設計だ
MEOとは、GoogleマップやGoogleビジネスプロフィール上で、地域の検索に対して見つけてもらうための設計だ。
ただ、ビレッジ戦略におけるMEOは、順位を上げるためだけの施策ではない。
リアルで育ててきた場の空気、関係性、文化を、地図上でも伝わる状態にすることだ。
SEOが「検索結果の入口」を整えるものだとすれば、MEOは「地図の入口」を整えるものだと言える。
Googleビジネスプロフィールは、デジタル上の店頭だ
昔は、お店の前を人が通って見つけた。今は、地図アプリの一覧で見つける。
Googleビジネスプロフィールはデジタル上の店頭だ。
写真が暗い。情報が古い。口コミへの返信がない。投稿が止まっている。
それだけで、まだ訪れる前の人に「ここは動いていないのかもしれない」と思われてしまう。
逆に、写真に世界観がある。口コミに温度がある。返信に人格がある。投稿に季節感がある。
そうなると、地図の段階で「あ、この店なんか良さそうだな」が始まる。
これはもう、検索対策というより、デジタル空間での善い認知づくりだ。
口コミは、関係資本の可視化だ
MEOの話になると、すぐに「口コミを増やす」「星を上げる」という話になりやすい。
でも、ビレッジ戦略の視点では少し違う。
口コミは、単なる点数ではない。関係資本が可視化されたものだ。
だから本来、口コミはお願いして集めるものではなく、思わず誰かに伝えたくなる体験のあとに残るものだ。
口コミを増やすことを目的にするのではなく、口コミしたくなる体験を増やすこと。
その発想のほうが、ビレッジ戦略らしい。
ビレッジ戦略の視点で、まず大切にしたいことは4つある
①基本情報を整える 店名、住所、営業時間、カテゴリ。ここがズレていると、見つけてもらう前に信頼を落とす。
②写真を定期的に更新する 店内、植物、イベント、スタッフ、季節。「今の空気」が見えるようにする。写真は、その会社の世界観を最初に感じてもらう入口だ。
③口コミに丁寧に返信する 定型文ではなく、その人の体験に返す。返信の文体そのものが、会社の人格になる。
④投稿機能で「文化」を発信する 新商品のお知らせだけでは弱い。季節の植物、暮らしの提案、考え方。その店が何を大切にしているかを出していく。
この4つを続けるだけで、Googleビジネスプロフィールは単なる店舗情報ではなく、小さな文化発信の場に変わる。
AI時代に、積み上がった実態が見られるようになる
検索の仕方は変わっている。
「近くの〇〇」「雰囲気のいい〇〇」で探す。これからは、AIが口コミや写真、投稿の蓄積を読み取り、候補を整理して提示する場面も増えていくだろう。
そのとき判断材料になるのは、広告のコピーだけではない。実際の写真、実際の口コミ、実際の継続発信だ。
AI時代になるほど、表面的な言葉よりも、積み上がった実態が見られるようになる。
リアルの場で積み上げたものが、そのままデジタル上の信頼になるからだ。
グリーンショップというリアルの場。Googleビジネスプロフィールというデジタルの入口。その両方で「なんかいいな」が始まる会社が、これからは強い。
リアルで育ててきた場の空気は、地図の上でも伝わっていますか。
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第1回:その住宅反響(受注)は、なぜ来たのか
第2回:なぜ植物の店が、住宅相談につながるのか
第3回:住宅会社が比較される前に選ばれる理由
第4回:会社に、文化が宿るとき――4つの資本が循環する話
第5回:ゆるいつながりが、住宅受注を連れてくる
第6回:探索と進化――動きながら住宅受注の勝ち筋をつくる
第7回:会社の底力は、どう育ち始めるのか――人的資本という、見えない根っこ
第8回:なぜ、性能を説明しても選ばれないのか――住宅会社が最後に選ばれる理由
真崎 健(まさき たけし)
株式会社エスティナ/株式会社Birth&Rebirth
代表取締役
ビレッジ戦略提唱者